ふとんの打ち直し・リフォームとは
ふとんの打ち直しリフォームは、使用していた布団を作り直すことを言います。ふとんの側生地(布)を剥がして中の綿を取り出し洗浄・・開綿(綿をほぐす)除塵・足し綿をして布団の形に成型した綿を、新しい側生地に綿を入れるので新品のようになります。
『打つ』語源は江戸時代までさかのぼりますが、綿を写真のようなわた打ち弓で綿の繊維を直接バンバンと打つようにしてほぐしていました。
現在では機械(成型機)で行いますが当時の名残りで今でも「打ち直し」と言っております。
かつて布団は定期的に「打ち直し」して長い年月使い続けてきたサスティナブル製品です。いったん中綿を取り出してほぐし直しするのでサイズ・重量変更や保温力がアップするなど、不満な点を改善できます。昨今、SDGsで謳っている持続可能な社会の実現に大きく資するものでもあります。

「布団の打ち直し」「布団の仕立て直し」「布団のリフォーム」「布団の再生」など内容はすべて一緒です。
弊社では成型機(↑の写真)で開綿して除塵・綿の成型をします。壊れた繊維はふるい落とされ目減りするので新しい綿を追加します。
基礎知識としてどんなリフォーム方法があるか、価格の目安や選び方のポイントを押さえることで、適切な判断ができます。作業の流れや期間の目安、素材選びが仕上がりの品質を大きく左右する点を理解すれば、依頼前の確認事項がまとまり、スムーズな進行が可能です。トラブルを避け、長く使える状態を保つコツや、業者選び・契約時の注意点も整理しておくと、納得のいくリフォームが実現します。この記事では、総合的な知識と実務的なポイントを分かりやすく解説します。
ふとん打ち直しリフォームの基礎知識
ふとん打ち直しリフォームは、新しい布団を購入するよりもコストを抑えつつ、眠りの質を保つ実用的な選択として根強い需要があります。打ち直しが適しているのは、へたりが出始めた中材の復元や、側生地の傷みが局所的で全体の買い替えに比べて費用対効果が高い場合です。ポイントは中材の状態を的確に判断し、外観だけでなく沈み込み・反発・通気性・耐久性を総合的に評価すること。適切な打ち直しは、自分に合ったふとんを使い続けれることにより身体の負担を減らし快適な睡眠環境を長く維持します。
ふとん打ち直しとは
具体的には、中材を取り出しリフレッシュを行い、お客様に合わせた適切な層厚・密度を再現します。これにより、体圧分散の性能を回復させ、沈み込み過ぎや硬さのばらつきを平滑化します。寝具専門業者は、素材の機能性と衛生面を総合的に考慮し、家庭での洗濯可能性やダニ対策など重量の加減も提案します。
また、「布団の丸洗い」や「布団のクリーニング」は側生地を剥がさず、布団のまま洗うことです。中綿は取り出さずに洗うのでその分安価です。
どんなリフォーム方法があるか
主なリフォーム方法には次のタイプがあります。
1) 中材再生型:既存の中材を洗浄・消臭・除湿・乾燥後、再度打ち直して使用。コストが抑えられ、衛生面の改善も期待できます。
2) 中材交換型:中材を新しい素材へ置換。反発性・通気性を高めたい場合に適し、腰痛予防やアレルギー対応にも寄与します。
3) 側生地再仕立て型:生地の破れや色褪せが大きい場合に側生地だけを新調して全体をリフレッシュ。
睡眠の好みや予算、布団の使用状況に合わせて組み合わせが選べます。いずれも、打ち直し後の仕上がりは各個人に合わせたふとん作りが出来ます。
価格相場と選び方のポイント
価格は中材の種類・量、側生地の素材・サイズ、打ち直しの工程の複雑さにより変動します。目安としては、中材再生型であれば数千円台から数万円程度、材料を新しく交換する場合は数万円から十数万円程度が一般的です。選び方のポイントは以下です。 1) 中材の状態診断:へたり、沈み込み、弾性、ダニ・カビの有無を専門家に評価してもらう。 2) 素材の特性:通気性・防ダニ・抗菌性・耐久性を比較。 3) 着地感の好み:柔らかめ・ふっくら系・硬めなど、自分の睡眠姿勢に適した反発を選ぶ。 4) メンテナンス性:自宅での洗濯・乾燥の難易度や、清掃サービスの有無を確認。 5) アフターサービス:打ち直し後の保証期間、再調整の対応範囲を確認。適切な組み合わせであれば、快適さを長く保ちつつコストを抑えることができます。
作業の流れと品質のポイント
ふとん打ち直しは、長く快適に使うための重要なリフォームです。事前準備と作業工程の理解が品質を大きく左右します。本章では、依頼前の確認ポイント、作業の流れと期間の目安、そして素材選びと仕上がりの品質を左右するポイントを詳しく解説します。適切な情報を得て信頼できる業者と施工計画を立てることが、仕上がりの満足度に直結します。
依頼前に確認するポイント
まずは依頼前の準備です。以下を整理しておくと、業者とのやり取りがスムーズになり、見積もりの差異を最小化できます。
1) 現状の状態を正確に把握する。カビ、ダニ、沈み、布地の破れ、綿量の減少、側地のほつれなど、気になる点を写真とともにリスト化します。
2) 希望の仕上がりと用途を明確化する。眠りの質を重視するのか、保温性を重視するのか、重量を軽くするのかなど、優先順位を伝えます。
3) 素材の好みと予算範囲を設定する。綿打ち直し、羽毛打ち直し、ウレタンの混合など、選択肢が変わるため、予算感を事前に共有します。
4) 保証・アフターの要望を確認する。品質保証の期間、再作業の対応、廃材の処理方法など、契約条件を確認します。
5) 作業環境の現地確認が必要かどうかを尋ねる。サイズ測定、カバーの外し方、搬入経路など、現場での留意点を事前に共有します。
この段階での透明性が、後のトラブルを減らし、適正な見積もりとスケジュール設定につながります。
作業の流れと期間の目安
ふとん打ち直しの標準的な流れと目安期間は、以下のとおりです。実際は素材や現場状況、業者の体制で前後しますので、複数社の比較と現地確認が推奨されます。
1) 現地診断と見積り(1日〜3日)
現状の状態を確認し、最適なリフォーム方法と必要量、素材を提案します。写真と寸法の正確性が重要です。見積りは、材料費・工賃・出張費・廃材処理費を含めて明細化されます。
2) 材料確保と仕様決定(3日〜2週間)
羽毛 or 綿、側地の素材、縫製仕様、ダニ・カビ対策の有無などを確定します。納期は素材手配の状況に左右されます。
3) 打ち直し作業(2日〜1週間)
中綿の打ち直し、縫製、仕上げ等の作業を経て、復元・再生を進めます。品質管理の検査を並行して実施します。
総じて、標準的なボリュームの布団であれば1週間程度、特殊な素材や大きなサイズ、複雑な補修が必要な場合は2週間程度を見込むと良いでしょう。業者の忙しさ(10月の繁盛記)や材料の供給状況により前しますので、余裕をもった5月頃日程設定を推奨します。
春になり押入れにしまう前がベストです。
また弊社では10月まで保管サービスを行っているので押入れに空間が出来て、押入れに空気が流れて湿気対策ができて環境がよくなります。
素材選びと仕上がりの品質を左右するポイント
仕上がりの品質は、素材選びと縫製・中綿処理の質で大きく決まります。以下のポイントを押さえると、長く快適に使える打ち直しが実現します。
1) 中綿の選択と量の適正化
綿は弾力と復元性が重要です。過剰な詰め込みは硬さの原因、不足は沈み・へたりの原因になります。現代の打ち直しでは、素材の熱伝導性・通気性も考慮して適正な量を決定します。
2) 素材の相性と耐久性
側地は摩耗に強く、洗濯や日常の使用にも耐えるものを選ぶと長持ちします。ファスナーや縫製の強度も重要です。防ダニ・抗菌処理が施された素材も選択肢に入ります。
3) 縫製技術と仕上げの均一性
縫い目の密度・揃い具合・裏地の処理が均一であることは、見た目と耐久性に直结します。仕上がりのふくらみ方が均等か、表面の凹凸がないかを現場で確認します。
4) アフターケアの設計
交換・修理が必要になった際のメンテナンス性を考慮した縫製やタグ付け、保証期間の設定が望ましいです。適切なメンテナンス方法の説明を受けておくと、長期的な品質維持につながります。
5) 仕上がりの感触と使用感の調整
最終的なふくらみの柔らかさ、復元力、温かさは好みが分かれます。実際の使用感をイメージして、硬さ・柔らかさ・温かさのバランスを打ち合わせで決めましょう。
トラブル回避と長く使うコツ
ふとん打ち直しリフォームは長く使うほどコストパフォーマンスが高まる反面、トラブルが起きやすい場面もあります。ここではよくあるトラブルと対処法、日常のメンテナンスで長持ちさせるコツ、業者選びと契約時の注意点を整理します。適切な知識と準備で、安心してリフォームを進め、仕上がりと耐久性を最大化しましょう。
よくあるトラブルと対処法
まず多いのは「仕上がりのムラや硬さ」「寸法のズレ」「臭い・湿気のこもり」です。ムラや硬さは原反の状態と工法選択の不一致が原因となることが多く、契約前に試用感を確認できる機会があれば最適です。寸法のズレは畳やベッドとの干渉、覆い布の張り不足が要因となるため、仕上がりイメージを図面や写真で共有しましょう。臭い・湿気は新調材の放散や発泡剤の揮発が関係する場合があります。対策としては、作業後の十分な換気期間を設けること、可能なら乾燥・除湿環境を整えることが挙げられます。
施工中のトラブルとしては「作業日程の遅延」「近隣への騒音・振動」「ダメージの連絡が遅い」などがあります。信頼性の高い業者は作業計画を事前に提示し、進捗を随時連絡します。遅延や追加費用が発生する場合は、契約時の見積書に基づく明細で事前説明を求めましょう。万が一の破損は、破損箇所の写真とともに即時連絡し、保険適用範囲と賠償条件を確認しておくとスムーズです。
アフターケアの不足もトラブルの原因になります。リフォーム後に生じる微小な変形や座り心地の変化は、経過観察と再調整が必要なケースがあります。初期不良と判断される範囲は保証期間の規定に依存しますので、契約書の保証期間と対象を必ず確認してください。
メンテナンスと長持ちさせるコツ
長く快適に使うためには、日常のケアと定期的な点検が欠かせません。まずは使用前後の通気が基本です。ふとんは湿気を帯びやすいので、湿度が高い時期は風通しの良い場所で陰干しを行い、完全に乾燥させてから収納します。湿気が残るとカビや微生物の繁殖を招き、臭いの原因にもなります。
高温多湿や直射日光を避け、保管時は防虫・防湿対策を施しましょう。季節の変わり目には、専門業者による点検を受けるのも有効です。特に打ち直し直後の布団は繊維が新しく張り詰められており、初期の微調整が必要な場合があります。違和感を感じたらすぐに専門家に相談し、再調整を依頼してください。
汚れや染みがついた場合の対処は、素材ごとの適切なクリーニング方法を守ることが重要です。洗剤の残留は刺激になりますので、洗浄後は十分にすすぎ、乾燥を徹底します。カバーの清掃と季節ごとの換気も効果的です。
業者選びのポイントと契約時の注意点
信頼できる業者を選ぶには、実績・技術力・保証内容・見積りの透明性を総合的に評価します。実績は公開されている事例やレビューを確認し、現場での対応力を直接確認できる機会があればベストです。技術力は打ち直し方法の幅や素材の適合性、仕上がりの美観に影響します。見積りは項目ごとに明細化され、追加費用の条件が明記されているかをチェックします。保証は作業後のトラブル対応期間と内容を確認しましょう。
契約時には次の点を確認してください。施工範囲は具体的な部位と作業内容、使用材料の名称と規格、納期を明記します。支払い条件は内金・中間・最終の段階、解約時の取り決めを確認します。写真や図面での事前共有、現地採寸の有無、再訪問の条件も重要です。契約後の変更や追加工事が発生する場合の費用算出方法と承認プロセスを事前に定め、書面での合意を取り付けてください。
弊社では自社工場となっております。なので設備の確認や夏休みにはオープンファクトリーで工場見学を行っております。設備を見せれるほどの自信があるので打ち直しする場合は是非中込寝具をご検討お願いいたします。

